電飾


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静かな、とても静かな真夜中過ぎ。酩酊した天使が三日月に翼を引っ掛けてくるくる回転しながら廃墟の遊園地に墜落した。落下地点は丁度回転木馬のテントの上で、間抜けな天使は彗星のように幌のなかに頭から突っ込んでしまった。すると色とりどりの割れた電飾がパッと灯り、断線したスピーカーからは陽気なメロディが溢れ、中央に設えた大型のモーターがひとりでに駆動して、停止したままの回転木馬は再び回転し始める。

夜が深まる。